・補償(または代償)(compensation) 行動目標がもとの目標から他の目標へと置き換えられることによって、その要求が多かれ少なかれ充足される防衛機制が、補償と呼ばれる。S.フロイトではなくアードラーとユングが言い始めた防衛機制ということもあってか、内容は逃避・反動形成・知性化・逃避などと一層重複しがちである。このため、ここまでに述べた幾つかの防衛機制と間違いなくオーバーラップしているのでご了承いただきたい。なぜ出所が違って重複している概念をわざわざ紹介するのか?それは、この補償(代償)という概念が似合う現象がオタク/非オタクを問わず広く認められるうえ、概念が分かりやすいためか比較的一般にも広く使われている印象を受けるからである。 補償の例はそれこそどこでも転がっている。いなくなった恩人の形見や嗜好を大切にすること・身体の自由が利かない人が小動物を飼うこと・スポーツが駄目な人が学業に