米国の首都ワシントンでのいまの国際的な論題といえば、なんといっても中国だろう。 このところ中国を主題とするオバマ政権高官の演説や議会の公聴会、民間シンクタンクでの討論会などが連続する。1日に中国関連の集いが4つも、というのも珍しくない。米国にとって対外的には中国との関係がいま最も気になるということだろう。 さて重みを増す米中関係では「中国は米国債の最大保有国だから米国の弱みを握り、米国は中国に頭が上がらない」という診断がよく語られる。日本側でも、一般になんとなく受け入れられた認識だといえよう。だがこの認識を的外れだと断じる見解がワシントンでこのほど公表された。 中国は今年7月の時点で香港を合わせて合計9820億ドルの米国債を保有した。この額は各国当局の米国債保有でも最大で、外国機関が保有する米国債全体の約25%、すべての米国債保有のうちでも12%となる。この巨額の中国マネーは米側の財政赤字