地質学上の時代区分に「チバニアン」の名が刻まれる可能性があることで注目を浴びる千葉県市原市田淵の地層。その斜面に、地質学者らでつくる研究団体がコンクリートブロックの階段を整備した。見学者にとっては地層を間近に見ることができる便利な階段。だが、国の天然記念物指定を目指す市は「現状変更」に困惑している。 地層は養老川沿いに露出し、約77万年前に地球のN極とS極が逆転して今と同じ向きになったことが確認できる。国立極地研究所など日本の研究チームが昨年6月、地質時代の境界を代表する「国際標準模式地」として国際学会に申請。認められれば、マンモスやネアンデルタール人がいた約77万~12万6千年前の地質時代が、ラテン語で「千葉時代」を意味する「チバニアン」と呼ばれる。 昨年11月には、1次審査を通過して模式地の候補に残ったことが明らかに。すると「チバニアン」という言葉が注目され、地層にも見学者が殺到した。