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ブックマーク / macroscope.hatenablog.com (5)

  • 大循環 - macroscope

    「大循環」ということばについては[「GCM」の記事]でふれたが、もう少し説明を加えたい。 大気の大循環は、大規模な循環にちがいないのだが、この語の意味はそれだけではない。しかし、それではどういう意味か定義のような形で示そうとすると、そう簡単ではない。 英語では general circulation という。(これが日語の「大循環」に対応することは気象および海洋の分野特有の「方言」なので、もっと広い話題のに出てきた場合に「一般的な循環」などと訳されてしまうのはやむをえないのかもしれないが、それでは意味がとおらなくなってしまう。) [「GCM」の記事]で述べた「大循環モデル」は、もともと、この「大循環」をシミュレートできる数値モデルという意味だったにちがいないのだが、その後「大循環モデル」が発達してそれが表現できるものがだんだんふえたので、「大循環」ということばの意味が漠然としてしまった

    大循環 - macroscope
    ranryu
    ranryu 2014/06/18
  • 原因は「過去のすべてのものごと」ではあるのだが - macroscope

    われわれ人間は、ものごとを因果関係でつながったものだとして理解しようとすることが多い。とくに科学という いとなみ は、その態度を明確にしたものだと言えるだろう。 しかし、科学が発達した結果わかってきた ものごと の因果関係は、必ずしも人間にとってわかりやすいものではない。(人間社会にとって意義があり科学にもかかわる話題について)人々が語る因果関係は、科学の中の作業で考慮された因果関係そのものではなく、そのうちから抜き出されて整理しなおされたものだと思う。 たとえば、気象学の分野では、数値天気予報という仕事がある。計算機内のプログラムとして気象モデルというものを構成し、それを使って原因から結果を求めるような計算をするのだ。 おおざっぱに言うと、地球の大気を緯度・経度・高さの3次元の升目[ますめ]に分ける。それぞれの升[ます]に気温・気圧・風速・水蒸気量などの気象変数が割り当てられている。たと

    原因は「過去のすべてのものごと」ではあるのだが - macroscope
    ranryu
    ranryu 2014/05/19
  • 研究過程の記録の必要性とそれについての悩み - macroscope

    研究不正の疑いが濃い事件が起こり、ネットメディアだけでなく(日の)マスメディアで大きくとりあげられている。わたしはその事件について論評するつもりはない。ただ、それをめぐる人々の論評のうちに、科学研究一般の規範を論じているものがある。それは、いま始まった話ではなく、数年前からおりにふれて議論されてきたことがらだ。そのうちには、わたしの専門分野にそのまま適用されたら困ると思うものもある。また、わたしの専門分野でも適用したほうがよさそうだが、自分はそれを実践できそうもなく、わたしにはいまどきの研究職はつとまらないのかもしれないと思うことがらもある。これはわたしにとって気の重い話で、文章でうまく表現できるかどうかわからないが、ひとまず頭の中のわだかまりを押し出す意味でここに書き出してみる。 前おきとして、「研究不正」と仮に表現したことに、複数の意味があることに注意しておきたい。第1は、一般社会の

    研究過程の記録の必要性とそれについての悩み - macroscope
    ranryu
    ranryu 2014/04/11
  • フラックス、なんワット(毎平方メートル)? - macroscope

    「フラックス」(英語flux)は、何かの流れを示す物理量に使われる用語だ。単位時間あたりに、ある面のある有限の大きさをもった部分を通過する(あるいはそこに到着する、あるいはそこから出ていく)物質の質量が、質量フラックスで、SI単位はキログラム毎秒(kg/s)だ。質量の代わりにエネルギーの場合には、エネルギーフラックスで、SI単位はジュール毎秒(J/s)つまりワット(W)だ。 Fluxとflowは語源が同じなので、なぜ「流量」と区別されて「フラックス」ということばが使われるのかは、わたしにはよくわからない。日語では「流束」ということばが使われることがある。(ただし発音は「りゅうそく」だと思うが、そうすると「流速」と区別がつかないのでとてもまぎらわしい。わたしには使えないことばだ。) どうやら、次のような状況が想定されてできたことばのようだ。乱れのない流れが定常的に続いているとすれば、流線を

    フラックス、なんワット(毎平方メートル)? - macroscope
    ranryu
    ranryu 2012/04/28
  • 西風は東向きの流れ - macroscope

    「西風」とは西の方角から吹いてくる風だ。「東風」「南風」「北風」も同様だ。この表現は、気象学者・気象実務家だけでなく一般の人も使うので、方言ではなく共通語というべきだろう。 しかし、風は空気の流れだ。一般に流れの向きをどう表現するか、さらに一般化してベクトル量の向きをどう表現するか考えてみると、ふつう「東向きのベクトル」のように言うだろう。これは「東へ向かうベクトル」のことなのだ。「西から来るベクトル」とはあまり言わない。風に関する表現が、ベクトル量のうちでは特殊なのかもしれない。 気象むらと隣の海洋学むらとの区別はあまりなくなっている。両方にまたがって生活している人も多い。しかしこの件に関しては境目を意識する。風向の風速の東西方向成分の分布図を作れば、西風が吹いているところには「西」あるいは英語の頭文字で「W」という印をつける。海上で西風が吹いているところでは、海流もそれと同じ向きに流れ

    西風は東向きの流れ - macroscope
    ranryu
    ranryu 2012/03/20
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