「大循環」ということばについては[「GCM」の記事]でふれたが、もう少し説明を加えたい。 大気の大循環は、大規模な循環にちがいないのだが、この語の意味はそれだけではない。しかし、それではどういう意味か定義のような形で示そうとすると、そう簡単ではない。 英語では general circulation という。(これが日本語の「大循環」に対応することは気象および海洋の分野特有の「方言」なので、もっと広い話題の本に出てきた場合に「一般的な循環」などと訳されてしまうのはやむをえないのかもしれないが、それでは意味がとおらなくなってしまう。) [「GCM」の記事]で述べた「大循環モデル」は、もともと、この「大循環」をシミュレートできる数値モデルという意味だったにちがいないのだが、その後「大循環モデル」が発達してそれが表現できるものがだんだんふえたので、「大循環」ということばの意味が漠然としてしまった