ヨハネスブルクの中心街を行進して待遇改善を訴える市職員ら=7月28日、古谷写す 南アフリカで7月以降、貧困層の抗議行動や労働組合のストが相次いでいる。ズマ氏が大統領に就任してから9日で3カ月。「弱者の味方」を自任する大統領が、自らの支持層に反旗を翻された形だ。不況も重なり、サッカーのワールドカップ(W杯)開幕を来年6月に控える南ア情勢は揺らぎ始めている。 ヨハネスブルクの中心街を7月28日、約1万人の群衆が埋めた。待遇改善を求め、職場を放棄した市職員たちの行進だ。街頭のごみ箱を次々にひっくり返しては道路を汚し、行政サービスの重要性を訴えるストだった。 水道事務所の配管工デビッドさん(45)は「勤続20年で月給は3千ランド(約3万8千円)。ろくな昇給がなかった。政府の偉いやつらだけが金持ちになった。アパルトヘイト(人種隔離)時代の方がましだった」と、格差の広がりに憤りをみせた。 南ア