片山のデザインは、「ゾーニング」と呼ばれる作業から始まる。売り場の形を決め、棚や商品などの配置を決める、店の骨格作りだ。片山は図面をすべて手で描き、修正を何度も何度も繰り返す。図面が完成すると、形や色を忠実に再現した模型でさらに検証を重ねる。その時、大切にしているのが「客の目線になりきる」事だ。自分が客ならどう動くかと何度も自問自答しながら、思わず入ってしまい、長く滞在してしまう客の動き「動線」を作り出す。 人気ショップを生み出すために、片山がもう一つ大切にしているのが、「依頼者の思いを形にする」事だ。 クライアントは、どんな思いを込めて商品を作っているのか。その言葉にじっくりと耳を傾ける。 そしてその思いを客にわかりやすく、より魅力的に伝える仕掛けを考えるのがデザイナーの役割だと言う。 「自分に自信がない」と言い切る片山。だからこそ納得できるアイデアが生まれるまで、全力を振り絞り、