SMAP同様、〈芸人〉として舞台に生きる太田は、さすがに〈芸能〉に対する感受性が強い。多くの人が社会的なしがらみしか見えていなかったときに、太田は、木村の俳優としての身体に注目していた。相方の田中裕二も同じように、「それはやっぱり、ああやって5人並んでやるっていうのは、いわゆる画力(えぢから)的なことで言ったらさ、すごいじゃん」と、テレビに映し出された〈芸能‐人〉の身体を評価していた。なるほど、そのような視点で振り返ると、木村から遠く離れた位置にいた中居の、ふてくされていたような、それでいて疲れ切っていたような表情に対しても、ルーズでズレをともなった〈SMAP的身体〉の魅力を再発見できそうな気がしてきた。これはさすがに、SMAPにロマンを抱き過ぎだろうか。しかし、少なくともある人にとっては、あんな事態のただなかで、〈芸能‐人〉としてのSMAPに魅了されていた。あんな事態にあってなお、5人の