梶田教授はロシアのマスコミに、ブルーノ・ポンテコルヴォの考えが自分たちの研究の基盤となったと述べ、自分たちはその理論の正しさを実地観察によって証明しただけであり、ブルーノ・ポンテコルヴォが先駆者であり、リーダーだと語った。 また梶田教授は、他の基礎物理学者と同じように、自分も理論物理学者たちの理論に立脚しているとし、実際のところ、ポンテコルヴォの研究の後に、ニュートリノに質量があることを疑った人はおらず、自分たちはそれを実地観察によって遂に証明できたにすぎないと指摘した。 ブルーノ・ポンテコルヴォは、偉大な物理学者エンリコ・フェルミの教え子の1人で、その人生は驚くほど波乱万丈だった。ポンテコルヴォは、イタリアのピサで裕福なユダヤ人の家族に生まれた。ローマ大学を卒業し、エンリコ・フェルミが指導する若手の研究者グループに入った。このグループは、後に原子炉の製造を可能とする重要な現象である中性子