前回の「第2回 BGPの役割と仕組み」では、AS間で経路情報の交換を行うプロトコル「BGP」の基本的な仕組みついて解説しました。企業ユーザーが自社ネットワークをインターネットに接続する場合、少なからずこのBGPを意識する必要が出てきます。今回は、BGPを用いてインターネットに接続する場合に、その運用のヒントとなるトピックスを紹介していきましょう(編集局) インターネット・フルルートとトランジット インターネットに接続する場合、その接続形態にはいくつかの種類があります。ここでは、BGP(Border Gateway Protocol)の接続形態を説明します。 ・インターネット・フルルート 通常、インターネットに接続したBGPルータは、接続プロバイダよりインターネット上のすべての経路情報を受け取ります。これを「フルルート」といいます。各AS(Autonomous System)はフルルートを受
▼BGPの拡張 BGP4は元々、IPv4アドレスの経路制御のために利用する経路制御プロトコルとして設計されました。しかし、IPv4アドレスだけではなく、IPv6アドレスやマルチキャストアドレス、MPLS(Multi Protocol Label Switching)のラベルなど、さまざまなプロトコルの経路制御に対応すべく、拡張が加えられ続けています。代表的なRFCにRFC2545「Use of BGP-4 Multiprotocol Extensions for IPv6 Inter-Domain Routing」、RFC2858「Multiprotocol Extensions for BGP-4」などが存在します。これらの拡張をまとめてBGP4+やMBGPと称する場合があります。 ▼BGPを用いた経路制御の実際 BGPを用いた経路制御では、AS番号とIPアドレスの割り当てを受けた後、上
本連載の第1回目「ルーティング・プロトコルの役割を理解する」では、IPルーティングの中核を成す「ルーティング・プロトコル」について、その役割や全体像を解説してきました。今回からは、その際に紹介した「BGP」「RIP」「OSPF」の3つのプロトコルにフォーカスを当て、仕組みや運用法をより詳細に説明していきます。まずは、AS間で経路情報の交換を行う「BGP」の仕組みと役割について解説していきましょう(編集局) AS(Autonomous System)とAS番号 ASとは、共通のポリシーや同じ管理下で運用されているルータやネットワークの集合を意味します。各AS内では独立したIGPやポリシーが運用されており、インターネットはこのASの集合体ととらえることができます。インターネットは、AS単位に分割して管理することでルーティングのオーバーヘッドを減らし、ネットワークの管理を容易にしています。 この
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