日本では馴染みがないが、神経犯罪学=neurocriminologyという分野がある。犯罪の原因には社会環境的な要因だけでなく、生物学的要因が密接に関わっているのではないかという見地から、遺伝的要因、胎児期・周産期の影響、外傷を含む後天的脳障害、自律神経系の異常、栄養不良や金属などの脳への影響などを研究する学問だ。 一般に凶悪な犯罪が起こった場合、虐待などを含む家庭環境や、貧困などの社会的環境を調べ、それを要因のひとつとする場合が多い。とりわけ裁判では情状酌量の証拠として提出されるものだ。たしかに、それによって社会的な環境が整備され、より良い社会を作ることはできる。 しかし、それは咳をして熱があるから風邪だと断定し、対症療法として解熱剤などを処方することに等しい。本来は風邪のウイルスを特定し、そのウイルスが体内でどのように作用しているかを知ることで、根本的な治療をするべきなのだ。(風邪ウィ
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