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レイチェル・キューリンは自らを、信頼性が高く燃費のよいハイブリッド車を支持する何百万人というトヨタのロイヤルユーザーの1人と考えていた。ところが彼女は最近、自身が乗っていたトヨタ「プリウス」をシボレー「ボルト」に買い替えた。トヨタの電気自動車(EV)展開が遅すぎたためだ。 「トヨタファンの選択肢はどこにあるの?」。アリゾナ州メサに住むキューリンは「本当に悲しい」と言った。 一時は環境意識の高い自動車オーナーにとってナンバーワンのブランドだったトヨタは、消費者の嗜好の変化と気候変動の主要因である化石燃料の使用削減を推し進める各国政府の動きについていくことができていない。 巨大市場の米中でシェア低下が進行 トヨタと日本の自動車業界は今、1980年代に世界的な巨人となって以来、最大のビジネス課題に直面している。その対応によっては、トヨタと日本の自動車業界が世界トップの座にとどまれるか、あるいは「
ドラッグストアの目立つ棚に所狭しと並べられているのは、洗練されたパッケージの1500円帯のシャンプー群。かつて主流だった500円程度の大手ブランドは、下の棚へ追いやられている。 「今やヘアケア商品は高収益カテゴリーに変わった。売れ筋になったので、入り口付近に棚を移動させる店舗も増えている」。ドラッグストア幹部は嬉しそうに語る。ここ数年でヘアケアの主役が、大きく入れ替わっている。 商品が飽和状態で成熟化した日用品市場。そんな中でヘアケアは「単価上昇の模範例」になっている。シャンプー市場を高価格帯商品で席巻するのが、大阪に本社を構えるI-ne(アイエヌイー)だ。 2015年に発売した高価格帯シャンプー「ボタニスト」が大ヒットし、2020年に東京マザーズ(現グロース)市場に株式上場を果たした。”一発屋”で終わることなく、2021年発売の「YOLU」も売れている。2022年度の売上高は前期比24.
東京・江東区の潮見運動公園前にあるENEOSのガソリンスタンド。その一角に置かれたのはカゴ付きの台車だった。中には近隣の個人宅などからECで注文された小口の荷物が詰まっている。 スタンドにやってきた配達員は、カゴのロックを開けて段ボールの荷物や不在票を取り出し、近隣の個人宅へ配達に出かけていく。 配達を担うのはプロの運送会社のドライバーではなく、ネットを介して単発で仕事を受けるギグワーカーたち。フードデリバリーの「ウーバーイーツ」のように、隙間時間に働ける仕組みだ。 現状、ECの荷物をギグワーカーが運ぶサービスは極めて珍しい。既存のスタンドを活用し、宅配の裾野を広げることができるのか。 宅配とガソリンスタンドの相性 今回は石油元売り大手のENEOSと三菱商事による取り組みだ。周辺のドライバーなどに配達を依頼できるマッチングアプリ「DIAq(ダイヤク)」を展開するセルートも協力し、ダイヤクを
芸能界の実態を描く漫画『【推しの子】(おしのこ)』が人気だ。原作は『週刊ヤングジャンプ』に連載中で、単行本は全11巻まで出版されて、500万部を突破した。 4月からテレビアニメ放送も始まり、同時にインターネットでも配信されている。Netflixでは視聴ランキング5位以内に入った。 ポップな絵柄から、若者向けの漫画にも見えるが、実は大人にこそ響く要素がたくさんちりばめられている。筆者は10代の息子に勧められて漫画を読んだのだが、想定しなかった気づきが多くあり読みながら何度も驚かされた。 詳しくは後述するが、大人として、若者や子ども、女性に対していかなる態度で接するべきか。考えさせられるシーンがこれでもかと登場し、圧倒された。 大人の事情に翻弄される若者たち メインの登場人物はアイドルやタレント、俳優として活動する高校生たち。恵まれた容姿や秀でた才能を持つ彼・彼女らが、テレビや映画のプロデュー
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自分に正直になる習慣 フランスの哲学者アランは名言を遺している。 「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」 そのとおりだと思う。アクションから本質が生まれる。本質はあくまでも事後的に発生するものであって、本質という抽象はそれ単独で先行的に存在するものではない。 ぼくは中学生時代、プログラミングに夢中になった。よくわからないまま手さぐりでパソコンを使っているうちに、多彩な処理システムを構築できるプログラミングの魅力にどんどんのめり込んでいった。それがやがてビジネスにつながり、ぼくはそのビジネスでさらに成功を収めるべく野心をたぎらせていった。 要するに今日にいたるぼくのキャリアは、プログラミングとの出合いがすべてだ。プログラミングに出合わなければ、それはそれでまたまったく別のキャリアを描いていただろう。 あらかじめ目指すキャリアがあって、プログラミングに足を踏み入れたわけではないのだ。
新型コロナウイルス・デルタ株の流行で連日のように医療現場の窮状が伝えられている。医療提供体制の問題が指摘されながら拡大がなかなか進まない。 東京都は改正感染症法16条の2に基づき民間病院への協力を要請したが効果はあるのだろうか。何しろ、市井の多くの診療所やクリニックは1年半以上も「熱のある方は保健所へ連絡を」と張り紙したまま、頬かむりして新型コロナの診療に協力していない。勧告や名前の公表ぐらいでは効かないのではないか。 また、大規模病院や療養施設への応援、在宅療養者へのオンラインによる診療支援といった程度では不十分だ。一般の診療所の開業医がインフルエンザの場合と同様に外来診療や往診に応じる体制を作る必要がある。一方で、分科会の医師の一部や知事などが主張する国民へのより強力な活動制限、ロックダウンなどはすべきでない。以下、説明したい。 感染力が強くなる一方、致死率は低下 まず、新型コロナの被
近年、テレビ受像機をインターネットに接続し、YouTube(ユーチューブ)、Netflix(ネットフリックス)といった動画配信サービスを視聴する行為が普及していることが注目されている。IXT(現インテージ)が2021年4月に日本全国約6000名に対して行ったアンケート調査によれば、全国でおおよそ3人に1人がスマートテレビ(ネットに接続可能なテレビ受像機)をネットに接続して利用している。 スマートテレビでは、放送(本稿では地上波、BS、CSを総称して「放送」と呼ぶ)だけではなく、ネット経由でさまざまな動画配信サービスを視聴することが可能だ。スマートテレビを利用する視聴者にとって、テレビ受像機はすでに放送のみを視聴するデバイスではなく、「さまざまな動画を大画面で視聴するためのデバイス」になっているといえるだろう。 スマートテレビ100万台の視聴ログを解析 では、スマートテレビに搭載されているア
ハンバーガーチェーンといえば、1971年に日本1号店を開店した最大チェーンのマクドナルドを始め、1972年設立のロッテリア、モスバーガーなどがわが国での老舗として挙げられる。後発チェーンとしては、1992年のフレッシュネスバーガーがある。 今回取り上げるバーガーキングは日本への上陸が1993年と後発組で、知名度、店舗数ともに他のチェーンにはやや後れをとる。また、「高い」というイメージを持っている人も多いかもしれない。 しかしここ最近、そうした状況に変化が生じてきている。同チェーンをめぐり、“バズる”という現象がたびたび起こっており、とくに若い人の間で知名度がぐんぐんアップしているのだ。バズる理由となっているのは、思い切ったブランド戦略だ。 「なんだか面白そうなブランド」 例えば、2020年1月、秋葉原店の近隣にあるマクドナルドが閉店した際、なぜかバーガーキングが店頭広告を出した。競争を繰り
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ネットショッピングがこれまで右肩上がりで発展してきた理由は、主にその「便利さ」にあった。検索をすれば欲しいものがあり、購入したものを家まで届けてくれる。一定額以上を買えば配送無料というのも当然のようになっている。 しかし、最近の消費者は、便利であることに慣れてしまっている。もちろん、便利なのは絶対条件ではあるものの、それはもはや空気のように当たり前の存在で、他社と差別化できるポイントにはなっていない。「便利さ」は、もはや価値ではなくなっているのだ。 では、今の消費者が便利さにも増して求めているものは何か? 答えは「時間」である。拙著『2025年、人は「買い物」をしなくなる』でも詳しく述べているが、少しでもストレスのかかる時間を減らして、快適な時間、楽しい時間をもっと増やしたい。SNSなどの投稿を見ても、今はそれを生活の優先順位としている人が非常に増えている。 若い世代は「ググらない」 30
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