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ブックマーク / ibaibabaibai-h.hatenablog.com (3)

  • 卵子と精子の対称性の自発的破れ - 性差のはじまりを考える - ibaibabaibaiのサイエンスブログ

    「性をめぐる生物学の理論」について,特論(この回)と一般的な話(次回)の2回に分けて書く.自分が大学院生の頃は「社会生物学」とか「進化とゲーム理論」という言葉が新鮮な響きを持っていた時代で,そういう話題を普通の教養の一部として耳にする機会があったが,いまはどうだろう.そもそも生物学に,こういう感じの「理論」があることを知らない人も結構いるのかもしれない.一方で,このブログには職の生態学の読者も多そうなので,恥ずかしい気もするが,自分の中ではそれなりの重みのある話題なので,あえて取り上げてみることにした. 雌と雄の違いを突き詰めると 雌と雄はどこが違うのか.種によっていろいろな性差があるが,哺乳類にこだわらずに広く考えると,生物として基的なのは「雌は卵子を作るが,雄は精子を作る」という違いになる. では,卵子と精子はどこが違うのか.基的には,ひとつの個体から生まれる数が 少なくてデカい

  • 利己的な毒キノコ - ibaibabaibaiのサイエンスブログ

    生物の話もいろいろあるが「群淘汰は起こりにくい」という原理は知っておいて損はないと思う.これによって,ずいぶん多くの疑わしい説明から逃れることができる. 具体例として猛毒キノコを考えてみよう.毒で受動的に身を守ることの問題点は,毒が廻ったころには,キノコはべられてしまってあとかたもなくなっている,ということである.毒キノコでいちばん危ないのは,環状ペプチドを毒性物質として持つタイプのものだが,この場合には,初期症状のあといったん症状が治まる.すこし間隔をあけて強烈な肝障害が発現するが,べた動物が斃れたころには,べられたキノコは思い出の中にしか存在しないことになる.それでは毒はいったい何の役に立つのか. 夕にキノコが出たら,この話を振ってみるといい.「事中に毒キノコの話をするな」などと怒り出す無粋な相手でなければ,おそらくは次のような説明が帰ってくる. べられたキノコは助からない

    利己的な毒キノコ - ibaibabaibaiのサイエンスブログ
  • プリオンなんて嘘だと思ってた - ibaibabaibaiのサイエンスブログ

    はじめはプリオンなんて信じなかった. だって話が出来過ぎではないか.たんぱく質の1次元配列は同じでも,その折りたたみの形状が複数ある.みんながAという折りたたみ方をしているときに,それよりちょっとだけ安定なBという形状のものを入れると,それが自己触媒的に伝わっていき,とうとう全部がBになってしまう. これだけで,統計物理だの非線形科学だのに興味を持っている人間にはツボとしかいいようがない.たとえば,結晶を作るときに「種」を入れると,それまで「偽りの安定状態」にあった過飽和溶液から急速に固体が出現する.こうした正のフィードバック現象は,こうした学問に携わる者の心の底に棲みついている.それが突然思ってもみなかったふうに登場したのである. しかも,プリオンには「ストレイン」という系統のようなものがいくつもあって,たとえば系統Bに感染すると全部が系統Bに,系統Cに感染すると全部が系統C,という風に

    プリオンなんて嘘だと思ってた - ibaibabaibaiのサイエンスブログ
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