5月31日、フォーブスジャパンが公表した2023年版「日本長者番付」では、最終学歴が“高卒”の人物が上位50人中11人を占めた。1位の柳井正氏(ファーストリテイリング社長、資産額4兆9700億円)が早稲田大卒、3位の孫正義氏(ソフトバンクグループ社長、同2兆9400億円)がカリフォルニア大バークレー校卒など、一流大学出身者もいるが、巨額の個人資産を築いた商売人たちは必ずしも高学歴というわけではないのだ。 ビジネスの勘は大学で学ぶものではないのか。経済ジャーナリストの福田俊之氏が語る。 「このランキングの特徴は、高卒億万長者の多くが戦中戦後の混乱期に生まれた世代であり、彼・彼女らが商売を始めた頃は日本はまだまだ貧しかったが、皆が将来に向けての夢を抱ける時期だった。そうした時代背景も関係していると思われます。 家庭の事情で進学を諦めざるを得なかったり、学生運動で大学を中退する者が少なくなかった