100円の収入を得るために必要な費用は2万2149円-。JR東日本が28日に初めて公表した利用者の少ない在来線の収支は、過疎化や少子化に悩む沿線自治体に衝撃を与えた。「厳しい現実が数字で示された」「バス転換は考えていない」。不採算路線は首都圏も例外ではなく、多くのローカル線が存廃の岐路に立たされている。(大竹直樹) 「厳しいとは聞いていたが、これほどまでとは」。宮城県大崎市の担当者は、JR東が公表した数字を目の当たりにして息をのんだ。地元を走る陸羽東線の鳴子温泉(同市)-最上(山形県最上町)が令和2年度、運営費に対する鉄道収入の割合を示す収支率が0・5%とJR東の地方路線で最も低かったからだ。 100円の収入を得るために2万2千円以上の経費がかかる計算で、赤字路線の中でも突出していた。今後、存廃の議論が加速しそうだが、担当者は「廃止やバス転換は想定していない」と強調する。 千葉県の房総半島