固体有機材料のブレークスルーとなる新物質ができた。水素結合ダイナミクスで電気伝導性と磁性を同時に切り替えることができる純有機物質の開発に、東京大学物性研究所の上田顕(うえだ あきら)助教、森初果(もり はつみ)教授らが初めて成功した。この物性切り替えが、熱による水素結合部の重水素移動と電子移動の相関に基づく新しいスイッチング現象であることを解明した。 水素結合を基にした新しい低分子系純有機スイッチング素子や薄膜デバイスの開発につながる発見として期待される。高エネルギー加速器研究機構の村上洋一教授、熊井玲児教授、中尾裕則准教授、総合科学研究機構の中尾朗子副主任研究員、岡山理科大学応用物理学科の山本薫准教授、東邦大学理学部の西尾豊教授らと共同研究で、8月15日付の米化学会誌Journal of the American Chemical Societyオンライン版 に発表した。同誌の Spot