横浜市出身の永瀬拓矢さん(26)は、将棋の第4期叡王(えいおう)戦7番勝負で、高見泰地叡王(25)を4連勝で破り、念願の目標にたどり着いた。3度目の挑戦でつかんだタイトル。「ようやく結果を出すことができた。2度失敗しましたが、その経験と悔しさは無駄ではなかった」。群雄割拠の将棋界に新たな顔が登場した。 平成30年度は36勝9敗、勝率8割という抜群の成績を残し、余勢を駆って叡王戦の挑戦権をつかんだ。第1局の舞台は台湾の台北市。海外に出掛けるのは初めてで「パスポートを作ってうれしかった」と子供のような笑いを見せた。 対局相手は幼い頃からのライバル。「絶対に負けられない」との思いで臨んだ。苦しい展開となったが、持ち前の粘りで終盤に逆転。初戦勝利で流れをつかみ、一気に突っ走った。 将棋は6歳の頃、祖父から教えられた。夢中になり、16年、棋士養成機関の奨励会に入会。最終関門となる三段リーグに入った2