日本人は昔から木の家を建ててきた。だから木の家の作り方は、世界の中で日本人が一番よく知っているはずだ──。と思っていたら、実はそれは大間違いだった。欧州の人たちの方がよっぽど木のことを知りつくしていたのである。 そのことに気づいたショックをきっかけに起業した人物がいる。飯田ウッドワークシステム(北海道・札幌市)の飯田信男社長だ。 欧州の木の窓に驚く 飯田氏は学生時代から一貫して木材の世界を歩いてきた。北海道大学で木材工学を学び、卒業後は北海道立林産試験場に就職した。試験場では木材の利用法、特に北海道産の木材を使ってどのような新しい窓ができるかを研究した。 飯田氏が試験場に就職したのは1970年代末。その頃、日本の窓は木製サッシからアルミサッシにどんどん置き換わっている最中だった。アルミサッシは木に比べて丈夫で長持ちする。軽いし、値段も安いというメリットがある。 だが林産試験場の上司は、日本