タグ

ブックマーク / www5d.biglobe.ne.jp/~samuel (2)

  • サミュエルへの手紙

    親愛なるサムへ 東海道新幹線の車中から見える浜名湖あたりの景色が好きだ。ふだんの暮らしの中でも、ふとした瞬間にその光景が頭に浮かんでくることがある。 新幹線に乗るときはたいてい指定席で、細かい座席指定ができない券売機を利用することが多いから、どこに座るかはJR任せになる。僕の場合、上りでも下りでも九割方は通路の北側の席を指定される。富士山を見せてやろうという配慮かもしれない。しかし、配慮してもらって申し訳ないが、僕はあまり富士山には興味がない。ああ、富士山だなと思うだけである。それよりも北側の席ばかりが続くと、たまには南側の席で海が見たくなる(海が見える区間は限られてはいても)。どちらかを選べるように「富士山」と「海」というボタンを券売機に追加してくれたらありがたいのだが。 ただ、浜名湖近くを通過するときには北側の席からの眺めの方が美しい。春から夏にかけてなら、遠くの方まで青々とした

    relations
    relations 2009/04/10
  • サミュエルへの手紙

    これらは心の友サミュエルのために書かれた手紙です。 サミュエル以外のあなたには何のことやら分からない話 が出てくるかもしれませんが、それも大目に見てください。 2000年9月 執筆者ポール 親愛なるサムへ かつて暮らしていた街を去って、1年余りが経ち、この街にも2度目の冬がやってきた。このページを少し下の方にスクロールすれば、2年ほど前の君への手紙があり、そこには「気に入っていた鯛焼きの屋台がなくなって悲しい」と書かれているのだが、今でも冬が来るたびに思い出すのは、「トポス」という名前のスーパーマーケットの裏で、厚い軍手をはめたおばちゃんがせっせと焼いていた、その鯛焼きのことばかりである。すぐそばの公園のベンチで、いつも仕事をサボっては頬張っていた。「鯛焼きに焦がされている『罪と罰』」という句も作って、捧げたほどである。 鯛焼きの匂いは、小麦粉の焦げた匂いなのだが、それは冬の焦げ

  • 1