【ニューヨーク22日時事】米写真関連大手イーストマン・コダックは22日、プロカメラマンを中心に愛されてきたカラーフィルム「コダクローム」の製造を年内に打ち切ると発表した。世界初の市販カラーフィルムとして1935年に発売され、根強い人気を誇ってきたが、デジタル化の波には勝てず、長い歴史に幕を下ろす。日本では既に販売が中止されている。 コダクロームは、ネガフィルムとは逆で、現像したフィルムに被写体の色や明るさが実物通りに映し出され、スライドなどにも用いられる。現像には特殊な工程があるため、世界では現在、米カンザス州の1カ所しか請け負う施設がない。 商品名は、歌手ポール・サイモンの曲(邦題は「僕のコダクローム」)にもなった。しかし、現在の売り上げは、コダックの静止画フィルム全体の1%未満。フィルム不要のデジタルカメラが全盛期を迎える中、静かに市場から姿を消す。