3. 【特集:大切な資料を守れ!-資料保存】 カビ発生後の当館での書庫管理について 支部農林水産省図書館農林水産技術会議事務局筑波事務所分館 伊藤 もも 1. はじめに 東日本大震災による当館の被害状況と被災直後の対応については、びぶろす電子化54号(2011年11月)において報告したところです。本稿ではその後の全国的な節電体制の下で発生した、カビへの対策について報告します。 当館では、室温30℃、来館者不在時は消灯といった節電対策を実行することになりました。そのためILL等の非来館での利用が中心の館内開架式書庫についても、暑さが厳しい夏中ほぼ終日消灯した状態でした。ようやく過ごしやすくなってきた9月下旬、何気なく書架を眺めてみると、そこかしこの資料にカビが発生しているのを発見しました。当時は書庫の温湿度管理についての知識もなく、カビに対してどのように対応していけばいいのか途方に暮れながら