前回指摘したように、金融商品取引法では、幅広い金融商品に対して、包括的・横断的な利用者保護の枠組みを整備している。今回はこのような枠組みとして、金融商品取引法が「有価証券」や「金融商品取引業」などを、どのように定義し、どのような規制を設けているかについて解説する。 読者もご存知の通り、バブル崩壊後に金融自由化が政策的に進められ、多種多様な金融商品が登場した。しかし、新しい金融商品やサービスに対して法整備が追いつかず、利用者保護を目的とする法規制の網をすり抜けている金融商品が存在していた。金融商品取引法は、こうした法制度の“隙間”を埋める、という意義を持つ。では、その隙間を埋めるために、金融商品取引法は金融商品をどのように定義し、金融取引をどのように規制しているのだろうか。 「有価証券」と「みなし有価証券」の定義を拡大 前回説明したように、金融商品取引法の前身は「証券取引法」である。しかし、