日本の投資運用業者には、単独で上場しているものは少ないですが、親会社の金融機関が上場しているものは多くあります。さて、直接に、また間接に、上場している投資運用業者は、当然に、株主に対する責任を負い、同時に、顧客である投資家にも責任を負い、また、投資家を代理して議決権を行使するものとしての責任を負うわけですが、これらの責任は、相互に矛盾なく履行可能なのか。 日本では、単独で上場している投資運用業者はわずかです。しかし、上場している銀行、証券会社、保険会社等には、傘下に投資運用業者をもつものが少なくありません。こうした間接上場を含めれば、案外、上場している投資運用業者は多くあるのです。 さて、これらの上場している投資運用業者は、自らの株主に対する責任、自らの顧客に対する責任、顧客を代理して議決権を行使するものとして他の上場企業に対する責任、この三つの責任を負うのですが、これらの責任について、相