「僕の蘊蓄聞いてくれませんかー」 「僕の蘊蓄要りませんかー」 眠れない午前二時、一人の蘊蓄売りの少年が、blog上でご自慢の蘊蓄を売ろうと頑張っていました。だけどインターネットの人達は皆がスルーし、彼の話を聞こうともしなければ、褒め言葉のひとつもよこしません。少年は、大きなフォントを使って、アクセスを呼ぼうと頑張ります。 「ガジェット買ってくださいー」 「ちょっとオタクなガジェット要りませんかー」 孤独な冬の夜が身にしみます。お炬燵はこんなにホカホカしてるのに、ディスプレイと向き合う彼の心は今にも凍えそうでした。 彼のブログには、さまざまの蘊蓄----SOS団の秘密・デトロイトメタルシティの魅力・アスランザラ名言集・ラグナロクオンラインのキャラクターデータ など----が収まっていましたが、誰もブックマークしないのです。 「蘊蓄ならもう、間に合ってますよ」 「うちにもあるわ」 「今時アスラ