恋愛下手で仕事もダメ。ヘタレ(情けない)といわれる男たちのやり場のない怒りを爆発させ、注目を集めているのが花沢健吾さん(36)だ。映画化された『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(小学館)に続き、連載中の『アイアムアヒーロー』(同)でさらなる進化を見せるマンガ家に聞いた。(佐藤憲一) もてない実生活に見切りをつけ、ゲームの中の仮想現実の美少女におぼれていく『ルサンチマン』(同)。会社のかわいい後輩と恋愛しようと懸命なのに、空回りしてばかりの『ボーイズ―』。 恋愛格差社会の底辺であえぐ男たちを主人公にしてきた。「僕自身、同じような鬱屈(うっくつ)を抱えてきたからです。スポーツも勉強もダメで、女の子と話せなかった中高生のころは特にひどかった」。そのルサンチマン(弱者が持つ憎悪やねたみ)が創作の原動力。「おしゃれでかっこいい世界を描こうとしても、リアリティーがなくて……」 青森県八戸市出身。大学受験に失