音声や動画をPCで手軽に扱えるようになって久しい。かつてこのようなマルチメディアデータは、CPUパワーやメモリ容量、ファイルサイズやネットワーク転送速度などの制限から、「いかにCPU負荷が軽く、データ劣化を抑えて圧縮率を高めるか」といった点が重視されていた。 しかし、いまやCPUはストリーミングに特化したインストラクションを備えるマルチコア構成となり、2Gバイトのメモリでさえぜいたくな容量ではなくなった。HDDは500Gバイトが安くてお得という状態である。このハードウェアの進化にあわせて、メディアフォーマットも容量を小さくするより品質を高める方向に発展してきた。数年前に使われた「DVD並みの画質」という言葉が、いまでは正反対の文脈で用いられることを、当時から予想していた人はほとんどいなかったに違いない。 TV録画や音楽のダウンロード販売、デジカメの記録映像など、個人が所有するデジタルコンテ