高速・低騒音の鉄道として実用化が期待されているリニアモーターカー。30年以上の研究を経てもなかなか実用化されず、「夢の鉄道」は「夢」のままで終わってしまうのではないかと落胆していた。ところが今年4月、JR東海が2025年をめどに首都圏と中京圏を結ぶ営業運転を開始すると発表。18年とまだまだ先の話だけど、具体的な目標が設けられたことで、一気に現実的になってきたのだ。 日本は世界でも有数のリニアモーターカー(磁気浮上式鉄道、海外ではマグレブ)開発国なのだけど、万博などを除いて営業運転しているのは、2005年に開業した愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)のみ。これは「HSST」というJR東海のものとは違う方式で、最高速度は時速100キロとなっているのだ。 一方、海外では日本より先に3カ国で営業運転が開始された。まず、84年に世界で最初にリニアの営業運転を開始したのは英国の「バーミンガムピープルムーバ