日本で働きながら技術を学んでもらう「技能実習制度」で来日した外国人が、実習先からいなくなる事例が相次いでいる。法務省によると、今年は10月末までに約4930人がいなくなっており、年間で最多だった昨年の4847人をすでに上回った。よりよい待遇の職場を探しているケースが多いとみられている。 同省によると、外国人実習生は、建設や農業、漁業などの現場に約17万人(2014年末)いる。国際貢献のための制度としてできたが、実際には、仕事がきつく、日本人が敬遠しがちな単純労働の担い手として活用されているゆがみが浮き彫りになっている。 実習先企業は、実習生が失踪した場合は、入国管理局に報告することになっている。同省によると、失踪者の数は12年には2005人だったが、13年には3566人、14年には4847人と増えていた。今年は6月末までの半年で2790人を数え、その後も月ごとに500人を超えるペースで増加