▼節電の冬、ウィーン生まれのミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』を見に、帝国劇場(東京)へ行くと、元モーニング娘。の高橋愛が風呂に入っていた。ステージ奥を向き、浴槽から立ち上がる。まず背中が露わになり、そして…な瞬間、バスローブが観客の視線を断ち切るといった際どい場面が数回。ヌーブラのおかげでポロリの心配はないそうだが、私は着けたことがなく分からない。ウィーンの女優もヌーブラなのか? そもそもエンタメ入浴史とは? 余計な妄想をするうち、上演が終わってしまった。 ▼映画史に残る入浴といえば、ヒチコックの『サイコ』(1960年)だ。モーテルでシャワーを浴びるマリオン(ジャネット・リー)に忍び寄る人影、細かなクローズアップ・カットの連続で描かれた惨劇はあっという間だが、撮影は実に7日間、カメラ位置を変えること70回。裸に厳しかった検閲をかいくぐり、世に出た。ちなみに、マーティン・スコセッシ