河村たかし・名古屋市長が南京事件否定論を展開する際に「目撃者がほとんどいない。(これが)かなり決定的」と述べたことはすでに報道された通りですが、ここには1つの嘘と2つのゴマカシが含まれています。まずは目撃証言以外の証拠によって裏付けられている虐殺の事例が多数あることを無視するというゴマカシ。次に、実際には何人もの目撃者(もちろん、虐殺の全体を目撃した人間などいるはずがないのであって、「南京事件」を構成する個別事例を目撃した、という意味ですが)はいるのに「ほとんどいない」と嘘をついている点。では、もう一つのゴマカシとは? 一連の事件は、当初警察の捜査で自殺と判断されたり、自宅が全焼するなどし、自白や目撃者を含めて直接証拠がない。このため検察側は論告の冒頭、「間接証拠で認定しなければならないが難しくも珍しくもない」と裁判員に訴え、「朝起きたら一面雪化粧だった。雪が降った場面を直接見ていなくても