契約や派遣社員など非正規の職から抜け出せない40歳前後の「非正規ミドル」が増えている。特に男性は「正社員の仕事がないため」が4割超と、「やむなく非正規」を続ける人の割合が他の世代や女性の同世代を上回る。低所得で老後への備えも十分積めないまま年を重ね、政府が1月末に打ち出した非正規支援策からも置き去りのままだ。 昨年末、東京都内で開かれた就職面接会の会場。千葉県に住む41歳の男性が硬い表情でブースを回っていた。9月に派遣の仕事を辞め、正社員の職をつかもうと必死だ。だが、いまだ願いはかなっていない。 1998年に九州の大学を卒業して18年。気づいたら40歳を過ぎていた。独身。結婚して子供を育てるという、若いころに思い描いた自身の姿は遠い。「ずるずると派遣社員で来てしまった」と肩を落とす。 就職活動に取り組んだ90年代後半はバブル経済崩壊後の「氷河期」の真っただ中。地元の百貨店などを目指したがか