「仁義なき戦い」の火ぶたは切られるのか-。日本最大の指定暴力団山口組の分裂から1カ月余り。友好関係にある稲川会に加え、過去の経緯から一定の距離感を保ってきた住吉会という関東拠点の2大広域暴力団のトップらが相次いで山口組総本部(神戸市灘区)を訪問した。これに対し、離脱した直系組長らが結成した新組織・神戸山口組には、住吉会の最高幹部の一人が挨拶に訪れ、稲川会から分離したグループや九州の有力団体の将来的な合流といった噂も絶えない。当初危惧された抗争の動きはまだ表面化していないが、引退した大物幹部の復帰が双方に噂されるなど火種はくすぶり続けており、分裂の余波による〝業界再編〟の可能性は静かに高まりつつある。 幹部の相次ぐ神戸訪問 行楽日和の青空が広がった9月26日朝。乗降客で混み合う新神戸駅のホームに、黒いスーツに身を包んだこわもての集団が現れた。 東京発の新幹線のグリーン車から降り立ったのは、東