作者:R. ターガート マーフィー 翻訳:仲 達志 出版社:早川書房 発売日:2015-12-18 本書は久しぶりに登場したアメリカ人の手になる本格的な「日本論」である。(原書は2014年12月に英オックスフォード大学出版局よりJapan and the Shackles of the Past のタイトルで出版された。)その最大のテーマは、日本人の精神や行動にとって今も足枷となっている「歴史の呪縛」の本質を明らかにすることだ。その過程で、著者のR・ターガート・マーフィー氏は、日米関係の核心とも言える問題にも迫っていく。 同氏の主張はきわめて明快だ。日本は1945年の敗戦以来、いまだに安全保障や外交面でアメリカに寄りかかった「従属国」の地位に甘んじている。だが、日本がアメリカに依存し続けるのはあまりにも危険な行為だと著者は指摘する。なぜなら、アメリカは本来、“日本の利益など眼中にもない”か
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