「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」の一節で有名なドイツのワイツゼッカー元大統領の演説には、次のような一文もある。 「若い人にかつて起こったことの責任はない。しかし歴史の中でそうした出来事から生じたことには責任がある」 日本に当てはめれば、軍国主義時代のアジア諸国への侵略に対して、戦後生まれの世代に直接的な責任はない。しかし過去の反省を踏まえつつ、隣国とより良い関係を築くのは現代に生きる者として当然の責務だ。 安倍晋三首相は22日のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議で演説し「『武力行使によって他国の領土保全や政治的独立を侵さない』。この原則を日本は先の大戦の深い反省と共に、いかなる時でも守り抜く国であろう、と誓った」と表明した。 夏に発表する戦後70年談話への環境整備として、各国首脳の前で「日本の役割」を強調して評価を得る考えとみられる。ただ演説に「大戦への反省