大都会・東京にひっそりと残る、古くて懐かしさを漂わせる個人商店。ポーランド出身の作家、マテウシュ・ウルバノヴィチさん(31)は、街で見つけた店の姿を描く。温かみのあるイラストはSNSで話題を呼び、来年2月には作品集が出版される。 江戸時代から続く木造の刃物店や、独特なフォントが目を引く布張りの看板。ほのかな色合いの影の先には、昔ながらのビールケースや瓶がある酒屋……。 ウルバノヴィチさんが描く「東京店構え」は、4年間暮らした東京で見つけた個人商店を、水彩画で表すシリーズだ。イラストは取材・撮影した素材をもとにアトリエで作画するが、「僕の中で一度消化して、魂を吹き込むように描いている」。実際に足を運んで得た感触や雰囲気が伝わるよう、細やかな筆づかいで描く。 初来日は首都・ワルシャワで送った大学時代。訪れた東京や京都の街並みにひかれて、留学を決意。神戸芸術工科大でアニメーションを学んだ。 卒業