今月16日投開票の沖縄県知事選は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する翁長雄志氏(64)が、移設を推進する現職の仲井真弘多氏(75)に10万票差をつけ、大勝した。九州の地方紙は「沖縄の民意が示された」とする社説や論説を一斉に掲載し、「沖縄vs本土」という対立構造を強調する情緒的な論調が目立ったが、軍拡を続ける中国を想定した安全保障という冷厳な現実に触れた記述はなかった。(大森貴弘) 選挙結果を受け、産経は17日付朝刊の社説にあたる「主張」で「日米合意に基づく普天間移設は、抑止力維持の観点から不可欠であり、見直すことはできない。政府は移設工事を粛々と進めなければならない」と訴えた。 翁長氏は当選後、仲井真氏が承認した辺野古沿岸部の埋め立てについて、取り消しを視野に入れていることを表明した。この点について「主張」では「明らかな虚偽など国の申請に瑕疵がなければ取り消すことができない。新知事が承