国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、まもなく2期10年の任期を終えて退任する。後半の5年間は特に、安保理常任理事国の中国に肩入れしたほか、出身国・韓国へのひいきも露見するなど、国連のトップとして中立性が問われる場面が目立った。 大統領選へのPRか 日米欧の首脳らが軒並み欠席する中、潘氏は昨秋、中国の軍事パレードを含む抗日戦争勝利70年記念行事に出席し、国際社会から「中立的でない」と批判を浴びた。2014年には、香港で約2カ月半続いた大規模デモへの中国当局の対応を「内政問題」と片付けるなど、国際社会の非難をよそに中国政府に一方的におもねる姿勢をみせた。 中国側に過度に配慮するのは、「韓国の次期大統領選をにらんだ動きと無関係でない」(国連外交筋)との見方が強い。日本外務省筋は「出馬して当選した場合の中韓関係を第一に考えている」と推測する。 潘氏にとって、国連は大統領選を控えた母国に自身を最