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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (3)

  • 『21世紀の資本』と日本の経済学

    以下は『電気と工事』(オーム社)の三月号に寄稿したものの元原稿です。 ーーーー フランスの経済学者トマ・ピケティが書いた『21世紀の資』(みすず書房)が大ベストセラーだ。五百頁を超える分厚い格的な経済の専門書が、発売ひと月で十数万部も売れたらしい。テレビのニュースでもとりあげられ、雑誌では特集が組まれたり、また解説や便乗が多く出された。 ピケティの主張は実に明瞭で簡潔だ。主に三点に集約できる。 1)世界中で所得と富の分配の不平等化が進んでいる。2)その原因は経済成長率<資収益率にある。つまり経済の大きさが拡大するよりも資の取り分が大きくなる。例外は1914-1945年のふたつの世界大戦とそれに挟まれた期間だけである。3)この世界的所得格差を是正するためにグローバル資産課税やまた累進課税を促進すべき、というものだ。 ピケティは「経済成長率<資収益率」は、資主義の動態的な法則で

    『21世紀の資本』と日本の経済学
  • 実質賃金低下をめぐる誤解ー消費税増税が実質賃金を低下させ生活を悪化させてる主因だー

    リフレ政策(日銀行によるインフレ目標付きの量的緩和政策)を「実質賃金を下げる」ことを目的、あるいは帰結してそのままで終わると思ってる人たちが非常に多い。これは間違った悪しき解釈である。 もちろんリフレ政策が効果を与える初期において雇用コスト(≒実質賃金)の切り下げが生じる。しかし同時に失業率の改善、雇用状況の改善(有効求人倍率の改善、いわゆるブラック企業の淘汰など)を実現する。さらに支払い名目賃金の総額が上昇していく(これは単純に雇用者数の増加に依存する)。 そして失業率が低下していきいわゆる「構造的失業」に到達する。その過程で名目賃金の増加だけではなく、労働市場のひっ迫の度合いに応じて実質賃金も上昇していく。実際に日経済は、消費税増税の悪影響がなければこのプロセスが実現していた可能性が大きい。以下は岩田規久男日銀行副総裁が最近の講演で紹介した図表だ(質問者2さんの情報提供に感謝)。

    実質賃金低下をめぐる誤解ー消費税増税が実質賃金を低下させ生活を悪化させてる主因だー
  • 日銀のインフレ目標を犯人にする「円安で生活悪化」説の大罪。本当の犯人は消費税増税の悪影響だ!

    今日、飯田泰之さんと話す機会があって、いまちまたでは日銀行がインフレ目標政策をすることで、インフレ=円安が輸入エネルギー価格や輸入原材料価格などを高騰させ、それが生活を圧迫しているという「円安で生活悪化」説が流行していると教えていただいた。 これを広めている評論家、エコノミスト、経済学者、政治家、官僚、そしてマスコミの執筆者・コメンテーターは、結果的に、消費税増税による生活の圧迫という当の「主犯」から注意をそらしているといわざるをえない。 これらの人たちが、そのような説を述べているのが、消費税増税の悪影響から国民の目をそらしたくて一生懸命はげんでいる財務省の画策の結果だとはあえて言わないでおく。 ただし「円安で生活悪化」説は、消費税増税の悪影響からともかく注意をそらしたい勢力からすれば、まさに恰好の宣伝手法だ、ということを書くだけで十分である。 現在の消費者物価指数(生鮮料品除く総合

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