大分県宇佐市のこども園を襲撃し、小学生ら4人を負傷させたのは、約15年、ひきこもり状態にあった30代男性だった。今年3月、傷害など5つの罪に問われた被告の裁判が大分地裁中津支部で始まった。初公判では、事件の背景に小学生の頃からのいじめがあったことや、本人の発達障害に周囲が気づかずにいたことなどが見えてきた。罪は償わなければいけない。しかし、そうした背景のあった加害者の心の中でいったい何が起こっていたのか。悲劇を繰り返さないための教訓を現地取材から探った。 初公判での被告 誰とも視線合わせず【事件の概要】昨年3月31日、認定こども園にフルフェイスのヘルメットを被った男が侵入した。男はこども園の近隣の自宅に住み、約15年にわたって、ひきこもり続け、当時32歳(現在は33歳)だった。自宅にあった竹刀を持ち出し、児童と職員を殴打したほか、携帯していた刃渡り18.8センチのナイフで職員2人に切り付け
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