臨済宗黄檗宗(おうばくしゅう)連合各派合議所(京都市)と曹洞宗宗務庁(東京都)は21日、中学校の歴史教科書を発行する5社に対し、臨済宗と曹洞宗を「禅宗」とひとくくりに表記しないよう要望したと発表した。15日付で依頼書を送ったという。 依頼書では、鎌倉新仏教といわれる6宗派のうち、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、時宗は開祖と宗派が書かれているが、臨済宗と曹洞宗はひとくくりにされていると指摘。「禅宗」という宗派は存在せず、不適切と主張している。 文化庁発行の「宗教年鑑」でも、2017年版まで「禅宗」とまとめられていたが、曹洞宗の要望を受けて18年版から「臨済宗、曹洞宗」と記された。 曹洞宗宗務庁は昨年6月、同じ5社に禅宗としないよう求め、禅宗と表記する根拠を尋ねる質問状を出していた。臨済宗と足並みをそろえ、連名で改めて依頼書を出した。(小林正典)