あふれる情報を効果的に分類する「頭の中の整理法」が脚光を浴びている。思考の整理の心構えを説く20年以上前の文庫本が再びベストセラー入りし、英国生まれのノート術はビジネスマンらの心をつかむ。脳開発ブームも追い風になり、情報過多時代の処世術として重宝されているようだ。(海老沢類) ■うまく忘れよ JR東京駅前の丸善・丸の内本店。英文学者の外山滋比古氏が書いた『思考の整理学』(ちくま文庫)が、昨年10月以降計21週にわたり文庫部門の売り上げ1位を独占した。初版発行は昭和61年。知る人ぞ知るこの学術エッセーに、「もっと若い時に読んでいれば…」と記した帯をつけた途端、世代を問わず人気が沸騰。昨年1月からの1年余りで約30万部を増刷し、累計部数は46万部に達した。 資料の分類やメモの工夫など実用例も豊富に盛り込まれているが、目を引くのは「整理とは、いかにうまく忘れるかである」という心得。「インタ