タグ

ブックマーク / note.com/kaxtupe (2)

  • LinKAge~凛国後日譚 其の二|加東岳史

    二歳程度の時のことを、人はどれくらい覚えているのだろうか。 自分のことを思い返しても、朧気な記憶しかない。私は外方者が凛の国に里を立てたくらいに生まれたらしい。だから放浪していた時のことなど覚えていないし。母様に抱かれていた時のこと、鉄や巽にあやされて遊んだ記憶くらいしかない。 それでも鮮烈に覚えているのは、母様が里に小さな花畑を作っていたことだ。よく私を連れて花の世話をしていた。 「お花はちゃんとお世話をしないとすぐ枯れちゃうの、だから私は毎日ここに来るのよ、いままでは旅をし続けていたからこんな事できなかったのよ、だから、雪、ちゃんとあなたもお世話をしてね」 長に名前をもらった次の日のことだ、母様は数カ月後に亡くなった。山で山菜や薬草を取っている時に山賊に襲われた。 「かかー、かかー?」 娘がよちよちと歩きながら私を探している。頭が重いのか、足が小さいからなのか、恐ろしいくらいに不安定に

    LinKAge~凛国後日譚 其の二|加東岳史
    rin51
    rin51 2019/12/16
  • LinKAge~凛国後日譚 其の壱|加東岳史

    城下は賑わいを少しづつ取り戻していた。 街の目抜き通りとも言えるこの大道には、川をまたいだ大きな橋がかかっており、この上には多数の物売りたちが大きな声を上げて商売をしている。菓子を売るもの、生活用品を売るもの、果ては大道芸を見せるものまで多様である。 先日城下で起こった民衆の一斉抗議は暴動寸前の所となり、軍と民との衝突になりかかったが、元宰相であった凌羽の鶴の一声で収まるところとなった。 城内では宰相の地位にあった慈仙法師の反乱があり、これを凌羽が収めたとの報せがあった。慈仙一派はその場で処刑され、凌羽は暫定ながら宰相に返り咲いた。慈仙が宰相であった数カ月間で国の治安は乱れに乱れたが、凌羽の尽力あって少しづつではあるが凛の国は平穏を取り戻そうとしている。そんな時期だった。季節はあっという間に巡り、冬を迎えようとしている。 橋の袂では新しい建物が普請されていた。さほど大きいとも言えない二階家

    LinKAge~凛国後日譚 其の壱|加東岳史
    rin51
    rin51 2019/12/15
  • 1