この作品においては通底して描かれてきた "家族観"。それは今回のエピソードでも変わらず示されており、どちらかと言えばフラットな画面で構成されたAパート、Bパートの冒頭でもそれは強く感じることができました。彼女たちを一つの画面に収める巧みなレイアウト、そこから醸しだされる雰囲気の温かさ。そういったカットが一つ一つ彼女たちの会話とともに紡がれていくのを観ていると、それだけで心が弾むような気持ちになり、「良いなあ」と強く思えてしまうのです。 しかし、ライブの日が近づくとそれまでフラットだった画面は変化し、どこか感傷的な画面・ライティングで構成されていきます。そして映し出されたのはバルコニーに佇むククの姿。揺れるカーテンの狭間で立ち尽くす彼女をアズサとライカが見つめるという構図がとても情感溢れるものになっていました。ですが、そんな遠望の視線*1をとても自然に、スッと横に立つ "隣人の視線" に変え