お盆に実家の仏壇に写る爺さんの写真を見てた。 僕は思った。 「誰なんだこのジジイ。」 このじいさんは僕の祖父らしいが、僕の生まれる前に死んじゃったそうなので何もしらない。故にしらない爺さんの前で僕は手を合わせて、親戚と一緒に坊主のソロライブにつき合わされているのだ。 かつて僕の部屋だったこの仏間で、僕はエロサイトを見るときだけ、仏間にうつるじいちゃんの遺影に見られてる気がしたので伏せてエロサイトを見ていた。 僕にとっては荘厳に祭られてるこのジジイは、エロサイトを見るときに視線が気になるジジイでしかない。誰なんだこのジジイは。僕は何につき合わされているんだ。 「南無阿弥陀仏、ナンマンダブ」 坊主のお経がサビに入った。仏間のお盆バイブスは静かに最高潮に達して ばあちゃんと母親は故人に思いを忍ばせて少し目に涙を浮かべている。 僕は昔かつて引っかかった30万を請求してくるエロ広告に思いをはせていた