2009年5月2日に亡くなった忌野清志郎。その1週間後の5月9日に行なわれた告別式で、甲本ヒロトが読み上げた弔辞の全文書き起こしです。「ファンにありがとうは言わない。僕もそのひとりだから」。“ロック葬”と名付けられたその式にふさわしい内容に、関係者やファンが胸を打たれました。 甲本ヒロト:キヨシロー。えー、清志郎、あなたとの思い出に、ろくなものはございません。突然呼び出して、知らない歌を歌わせたり、なんだか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり。レコーディングの作業中には、トンチンカンなアドバイスばっかり連発するもんで、レコーディングが滞り、そのたびにわれわれは、聞こえないふりをするのが必死でした。 でも、今思えば、ぜんぶ冗談だったんだよな。今日も、「キヨシローどんな格好してた?」って知り合いに聞いたら、「ステージ衣装のままで寝転がってたよ」って言うもんだから、「そうか、じゃあ俺も革ジ