「驚異的」な大盛況なのに博物館苦悩 お上の通達が… 京都国立博物館が、国宝3点や重要文化財30点などを展示する「長谷川等伯展」の盛況ぶりに頭を悩ませている。「入館者数の記録を塗り替える勢い」(山本英男美術室長)という人気だが、開催はわずか27日間。文化庁の通知で、国宝と重文の公開日数に上限があるからという。 文化庁によると、国宝と重要文化財の取り扱いは1996年に明文化。温度、湿度、照明の明るさについて管理方法を定め、都道府県などに通知しており、公開は原則として年間2回まで、延べ60日以内とした。 ことし2〜3月に同展を開催した東京国立博物館でも、25日間で30万人近くが入場。同館の松本伸之学芸企画部長が「1日あたりの入館者数が1万人を超えるのは驚異的」と話す盛況だった。 「作品を入れ替え、長期間展示することも考えたが、国宝の『松林図屏風』がなかったら、皆さん怒るでしょう」と山本室長