翁、ジョセの執務室、小綺麗に整っている部屋だか、壁一面に本が並んでいる。 こんなダンジョンのゴブリンの城に何故本があるのかというと、神の御告げを編纂する事が、ジョセ翁の主な仕事だからだ。 俺と翁は祭壇から戻って来て、この執務室で打ち合わせをしている。 白濁しているジョセ翁の目を見て、疑問を口にする。 「師匠は目が見えているのですか?」 「もう百年は見えてはいない」 「この本は全て師匠の仕事ですよね」 「そうじゃ、文字は見えんが読む事は出来る。口は達者だから書いてもらえる。それを纏めるのか儂の仕事じゃ、後は待っておれば本が出来るのじゃ」 「いやいや、何故文字が読めるのですか?」 「神のお陰じゃ、神の御告げを頂く様になり、全てに神の陰がある事を知る。この城や机に本や、文字にまで神の陰があるのじゃ」 「魔力と言い換えてみる事は出来ますか?」 「好きにするといい、魔力さえも神のお陰じゃ」 「ありが