岩手・宮城内陸地震の発生から14日で6年となる。秋田県横手市危機管理課長の川井縁(ちなむ)さん(55)は当時、陸上自衛隊幹部として、土砂崩れが多発した宮城県栗原市花山地区で行方不明者の捜索活動を指揮した。それ以来初めて、現地を先日訪れた。自衛隊での経験を防災行政に生かそう-。あらためて心に誓った。 宮城県栗原市花山本沢地区の国道398号沿いの岩山。2008年6月14日、地震による土砂崩れが発生し、落石防止工事に携わる作業員3人が巻き込まれ、犠牲になった。 「連日、蒸し暑かった」。ことし5月末、現場を訪れた川井さんが土砂崩れの爪痕が残る斜面を見上げて振り返った。 当時は陸上自衛隊第20普通科連隊(東根市)の副連隊長。地震から一夜明けた早朝、川井さんをトップとする192人の部隊が花山に到着した。行方不明者の捜索が任務だった。 本沢地区の現場は幅100メートルにわたって岩や土砂、樹木が堆