恐らく、この台風で巣から落ちたんだろうね。 自転車に轢かれていた。 僕の心は砕けそうだった。 なんでこうも辛い現実ばかり目の前でおきるのか。 最初僕はどうするか迷った。 親鳥らしき鳥が悲しそうに鳴いていたからだ。 果たしてこのまま埋めることが正しいのか? それは人間のエゴではないのか? そんなことを考えつつ家に戻った。 本音を言えば怖かったんだろう。 洗濯を干して、朝食を済ませ、やっぱりこのままじゃ可哀想という結論にいたった。 誰からも見向きもされない自分に重なったのもあるかもしれない。 このまま誰からもなんとも思われず避けて通られるのは可哀想だった。 僕はビニール袋を手袋がわりに、雛をそっと持ち上げ、近くの花壇に埋めてあげた。 所詮これは自分のエゴに過ぎないし、 いつ何時でも埋葬してあげるという結論には至らないかもしれない。 僕は墓の前で手を合わせて事務所に戻ってきました。 さぁ頑張ろう