駅で電車を待つ。 都会では、電車を待つという行為はじれったい。 ほんの数分だからこそのじれったさ。 田舎は諦めがつく。 1時間半に1本しかないからだ。 急いでいようがなんだろうが、とにかく1時間半に1本しかないのだから仕方ない。 みんな、それぞれが思い思いに電車を待つ。 友達にヒマ電する人もいれば、参考書を開く人、遠くを見つめる人、ケータイとにらめっこする人。 西日がもろに差し込むホームは、ただ突っ立っているだけでもじわりと汗ばんでくる。 そんななかで1時間以上も電車を待たなければならないのがつらいのは分かる。 それは分かるのだけど、自分の荷物を整列枠に置いて、俺並んでるからなってことにするよく分からん自分ルール、おかしくないか? 電車到着1時間前、ネクタイを締めたとある男性が、おもむろに荷物を置き、自分は日陰のベンチで涼み始めた。 まあ、到着までまだ1時間あるわけだし、まだ誰も並んでない