この日、マライアは約2時間のステージで全22曲を歌った。これはここ数年のマライアのステージとしては破格のヴォリュームと言ってよく、彼女が近年の「アメリカン・アイドル」の審査員等のショウビズ・セレブ・モードから再び本来の歌姫モードにスイッチを入れ替えたことが窺える充実の内容だった。前回の来日は2000年代のマライアのセカンド・ブレイク、第二の全盛期を迎えたアルバム『MIMI』のツアーだったわけだが、今回の来日は今年6月にリリースされた5年ぶりのニュー・アルバム『ミー。アイ・アム・マライア』を引っさげてのワールド・ツアーのキックオフの地となる。そして何よりも、マライア・キャリーの実に8年ぶりの来日公演だったのである。 前述のようにマライアは90年代、そして2000年代とポップ・ミュージックの世界的頂点に立ってきたアーティストなだけあって、8年ぶりの日本公演に詰めかけたオーディエンスの年齢層は驚